2023年度小中学生は約34万6千人が不登校
文部科学省の調査によると、2023年度(令和5年度)の小・中学校の不登校児童生徒数は、約34万6千人でした。これは前年度と比べて4万7434人(15.7%)増で、過去最多を記録しています。10年前と比較すると小学生は5.4倍、中学生は2.3倍増えています。
不登校児童生徒数は30年以上にわたり増加傾向にあり、令和2・3・4年度中学校の不登校が急増しています。不登校割合としては、小学校で約60人に1人、中学校で約17人に1人が不登校です。
高校の不登校生徒数は6万8,770人
2024年10月時点で、高校の不登校生徒数は6万8,770人で、前年度から8,195人(13.5%)増加し、過去最多となっています。在籍生徒に占める不登校生徒の割合は2.4%です。
不登校増加の背景としては、高校進学やクラス替えに伴う不適応の増加、コロナ禍の影響による登校意欲の低下などが考えられています。
不登校生徒の相談内容としては、学校生活に対してやる気が出ない、生活リズムの不調、不安・抑うつ、学業の不振や頻繁な宿題の未提出、いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題などさまざまですが、不登校の原因として最も多いのは心身の問題です。
不登校問題解決のゴールは学校復帰だけではない
大阪府大東市では22年4月に不登校支援モデル「学びへのアクセス100%」というのを打ち出した。これの最大の特徴が、評価の指標を「不登校児童生徒の数を減らす」というものから「学びにアクセスできる子を増やす」というものに変えたことだ。同市教育長が「学校復帰の要素と、居場所づくりの要素を、ケンカさせずにベストミックスさせていく」と語っている。
また、不登校やいじめなどに関する啓発活動を行っているNPO法人ストップいじめ!ナビの須永祐慈副代表は「従来とは違う次元に入った」と指摘。「学校だけを公教育の場とするのではなく、フリースクールやホームエデュケーションなど、多様な学びの場を公的に認めていくことを、真剣に検討する段階に差し掛かっている」と語った。
(教育新聞「【2024年版】不登校支援の現状と課題 教育専門メディアが解説」より抜粋)
対人関係の維持が鍵!
北海道大学大学院教育学研究院の加藤弘通さんによると、不登校経験者の無業率(※)に対人関係の維持が影響するとのことです。
まず家族との関係において、会話やメール等をよくしている、なんでも悩みを相談できる、楽しく話せるときがある、困ったときは助けてくれるなどの質問に対し良好な者は12.2%の無業者に対して低下群は25.8%となっています。
つまり不登校であっても家族とのコミュニケーションが良好であるとそうでない場合に比べ社会的自立がしやすいということです。
また同じ質問において家族以外の対人関係でも同様に無業率が低くなることが分かりました。驚くべきはその対人がネット上でつながっている人であっても同じ結果なのです。
(※)無業率とは、15歳以上の働く意欲のある人(労働力人口)のうち、仕事を探しても仕事に就くことのできない人(完全失業者)の割合を指し、一般的に「失業率」とも呼ばれます
eスポーツの役割
eスポーツはオンラインでできるスポーツです。つまり様々な人とネット上でつながり良好な人間関係が持てる環境と言えます。不登校生徒の対人関係の維持にeスポーツが大きく寄与していると言えます。
実際、当スクールの生徒さんの半数ほどが不登校だったり不登校経験者です。「社会的自立ができるかどうか?」は、親が子どもに思う大きな不安の一つです。
eスポーツを楽しく行うことが対人関係の維持につながります。その経験が将来への社会的自立につながる大きな要素であることは間違いありません。
まとめ
e-Study Z は、子供たちが「好きなことを諦めずに何度でも挑戦できる大人になる」サポートをする目的で始めました。その教育理念は今も変わっていません。
そこに不登校などの問題を抱えている生徒をeスポーツで救いたいという思いが強く加わりました。学校ではうまくコミュニケーションがとれなくても、e-Study Z でならコーチと楽しくゲームができたり、同じゲーム仲間と意思疎通が簡単だったりと良好な対人関係が維持できます。
今後も保護者様の不安が少しでも和らぐよう頑張ってまいります!